飛躍の年?つまずきの歳?10歳を理解する~子どもの「10歳の壁」とは何か?を読みました
「10歳までに○○しなさい」系の本をよく見かけます。
最近「めんどくせー」が口癖になって扱いにくくなってきた息子も10歳。
「10歳を超えると修正が難しいのか?」
と親は不安になってしまいますが、何を根拠に「10歳」と言い切るのか。
そんな疑問に丁寧に答えてくれるのがこちらの本。
子どもの「10歳の壁」とは何か? 乗りこえるための発達心理学 (光文社新書)
- 作者: 渡辺弥生
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/04/15
- メディア: 新書
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発達心理学の視点から、10歳にどんなことが 起きているのか説明してあります。
この時期の子どもたちの発達を理解してやり、はしごのかけ方さえ工夫してやれば、きちんと思春期を迎え、大人への自立の準備をスタートさせることができるのです。
複雑な思春期。
子ども自身も親も振り回されないよう、
「あ、今はこんな時期なんだ」
と、10歳を理解する手助けをしてくれます。
アンバランスな10歳
この本では「10歳」を
自己意識の変化
「考える力」の急成長
感情の変化
友達関係の変化
道徳性の変化
など多方面から解説しています。
読んでみて自分が思っていたより「10歳というのはまだまだアンバランスなんだな」ということです。
日常生活では、ある程度一通りのことができる10歳。
だから「小さい大人」扱いしてしまうこともありましたが、様々な面で発達途中。改めて考えると当たり前なんですが、その当たり前に気が付いていませんでした。
ひたすら大人の話すことを信じて「よーしっ」と前向きにトライしていた頑張り屋さんが、なぜか強気に慣れず、不安に思い始めるようになります。
こうした心の変化が、暴力行為やいじめ、不登校などの行動となる場合もあるそうです。
自分のことを客観視できるようになったり、自己意識が芽生えたりと、目覚ましい勢いで起こる内面の変化。それと同時にその変化に戸惑う自分。
扱いにくくなってきた理由が少しずつ理解できます。
ホルモンの影響
個人的に参考になったのがホルモンの話。
体の成長も著しいこの時期は、ホルモンもかなり影響するようです。
男性は、男性ホルモンの一種であるアンドロゲンが変化し、これが怒りなどの気持ちや攻撃行動を引き起こしやすく、女性は女性ホルモンの影響で抑うつ的な気分を引き起こしやすくなります。
私も生理周期に合わせて気分の浮き沈みがありますが、10歳ぐらいになるとこうした変化もみられるようになるのですね。
女の子だと初潮がある時期なので親も意識しているかと思いますが、うちの場合男の子だから「ホルモン」のことはあまり考えていませんでした。(^^;
体の中の変化は、周囲から気が付きにくく、10歳なら本人もなかなか気が付けないと思います。色んな変化もホルモンが影響しているかもしれないと思うとちょっと楽になります。
飛躍できるチャンス
また
教育現場では、小学校4年生あたりが飛躍の年であることや、そのために、その飛躍ができずにつまずいてしまう危険性が確かに指摘されています
とも書かれてありました。表裏一体なのですね。周囲の大人がこの頃に起きる内面の変化をきちんと理解し、適切にサポートすることが大切だと感じました。
自分も通ってきた道なのに、忘れてしまったことが多い10歳の頃。
もう一度読んで、普段に育児に活かしていきたいと思います。